GWのあれこれ その6 長崎へ

あれやこれやと忙しかったGW。
締めは、父を訪ねて三千里。ではないけど。
1里は約4km。
父の住む長崎県西海市大瀬戸町松島までは直線距離で、約1000kmらしいので、
『父を訪ねて250里』だ。中途半端〜。マルコ、すげー。

仕事を辞めることになった時に、長崎に行こうと決めた。
父は昨年末に軽い脳梗塞を起こし、知らない間に検査入院していた。
自分が望んで遠い遠い島に移住した訳だけど、やはり病気になると心配せずにいられない。
母は一緒に行けるはずもないので、私一人で。
今回の目的は「ゆっくりすること」ではなく、「近所の方や病院の先生に挨拶」。
2泊3日の短い旅となった。

お土産は、ZUN子に教えてもらった「銀座 鈴屋」の甘納豆の詰め合わせにした。
私自身、甘納豆を食べないのでよく分からんが、結構な値段すんのね。
2000円のでごまかそうと思ったけど、「見栄えのいい方」で3000円奮発。
あらかじめ長崎へ送っておいた。

松島へは、長崎空港からバスや連絡船を乗り継いで約3時間かかる。
私は一人旅に慣れている方だし、時刻表を調べるのも好きなので
事前に西海市役所にメールをし、行き方を教えてもらった。
ネットで一生懸命探してみたものの、全てがまとまっているサイトがなく、
聞くのが一番ということでメールしたのだが、意外にすぐ返事が来た。ナイス。

なぜ情報がまとまっていないかというと、松島への観光客が少ないこと。
島にあるもののと言えば、松島火力発電所。
それ以外は何もないと言った方がよい。
レストランやバーの外食産業は一軒もなし。スーパーもなし。
極めつけは信号もなし。のどかなところなのだ。
目的を持って松島に行く場合、大体誰かが迎えに行くパターンらしい。
所さんがダーツで松島に当てた場合、島に渡るのに相当苦労するはず。
そして需要が少ないことにより交通機関が廃線になることがしばしばあるらしい。
タイムリーな情報は市役所に聞くのが一番!

私は市役所からもらった情報をもとに、時間を無駄にしない最適なルートを絞り込んだ。
が、そこはさすが世話好きな田舎の人たち。
空港まで送り迎えしてくれることになった。
私は10:30頃到着の飛行機で東京を発ったが、同じくらいに松島を車で出発する計算。
その後私を乗せて同じ道を戻る。
悪いからいいよ、と父には言ったのだが、来られるはずがない、の一点ばり。
甘えることにした。

行く途中には五十五島の見学に行ったり、
お世話になった皆さんと食事に行ったり、食事をお家でごちそうしてもらったり、
本当に「してもらう」ばかりの旅になってしまった。
(松島港に到着した時の写真)
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島一周も車でしてもらったのだが、途中にあったのが、『桜坂』。
福山雅治の、桜坂である。
なぜに?とお思いの方も多かろう。目黒の桜坂じゃなくて?とお思いの方も多かろう。
あの歌のモデルになったのは、目黒ではなく長崎県松島なのだ。
というのも、福山は高校を卒業して、電力会社に就職したらしい。
そして訪れたのが、松島火力発電所。
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ここに行くのに通った桜並木がとても美しく、この歌のベースとなったらしい。
とwikiにも書いてあった。
私が行った時は残念ながら桜の季節ではなかったが、
その代わり鬱蒼と緑が生い茂っている。イコール、桜の季節はすごくきれいそう。
この「桜坂」も本当にのどかなところで、猫が道の真ん中で堂々と寝ていた。
近くに車が行っても、慣れていないのか、全く動かない。
そろりそろりと車で近づくとようやく逃げて行ったが。
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島一周の旅の途中には他にも、炭坑の跡地や、
「日本一小さな公園」と呼ばれるベンチが一つだけ海に向いて置いてある場所、
「白鳥の湖」と呼ばれる、ハウステンボスから買って来た白鳥が飼われている湖を見学。
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湖では百葉箱に白鳥用のエサと貯金箱が置いてあり、お金を入れてエサをあげる。
完全にボランティアでやっているようだ。
お金を入れてエサをやっていると、たまたまそのおばさんが原チャリで来た。
話を伺うと、ハウステンボスで観賞用に飼っていたのだが、経営悪化により
売りに出された白鳥をつがいで買って連れてきたそう。
このつがいは共に羽を切られていて、飛べない状態。
翌年子供ができ、子供はその翼で飛び立って行ってしまったり、
カラスの被害でみんないなくなってしまったらしい。
そんなところ、オスの白鳥が、逃げないようにしてあった柵に
首を引っかけ動けなくなってしまったのだが、
おばさんが柵をどけると元気に湖の真ん中まで泳いで行ったらしい。
しばらく様子を見守っていたら、大きく翼をばたつかせ、そのまま沈んでしまったという。
おばさんに最後の姿を見せていたようで、切なかったとおばさんは教えてくれた。
なので、今はメスだけが残っている。
「もうオスは飼わないんですか?」と聞くと
「私ももう年だから、いつまで見れるか分からないしね」と
切なそうに言っていた。
島にあるただの湖なんだけど、こうやってみんなの憩いの湖になっている。
都会じゃこういうことに巡り会うこともそうないな。
ネコにエサをやってるのもボランティアっちゃーボランティアだけど、違う気がするしな。
なんだか心休まる経験をさせてもらった。
そういえば、初めて先祖の墓参りもした。
でも会ったことのない人ばかりだから、手を合わせて、何を思う?って考えちゃった。
神社じゃないけど、「みんな元気でいられるようにお守りください」って言ってみたけど。

途中「出る」とは聞いていたものの、夜行性のため見かけることのできないたぬきが
茂みの中にいるのを発見!東京でもたまに出るというけど、田舎のはでかい!
見ることはなかったけど、他にいのししも出くわすことがあるみたい。
田舎恐るべし。

目的の一つである、診療所への挨拶もきちんとして来た。
父から今どういう薬を飲んでいて、数値がどのくらいで、という話は聞いていたが、
やはり安心はできないので、説明をしてもらった。
先生は寡黙な感じの方で、一つ一つ説明をしてくれた。
もしも、という時のために、家の住所や電話番号も置いて来た。
想像していたよりもきれいな診療所だったし、何しろ家から2分くらいの距離だったので安心した。
前に父に「Dr.コトーみたいだぞ」と島の雰囲気を告げられていたが、
まさにその通りでびっくり。病院はもう少しきれいだし、居酒屋はないけど。
先生の飼っている3匹のわんちゃんたちと戯れるのはとても楽しかった。
もう少しゆっくりの滞在だったら、散歩もお引き受けしたい感じ。
だって他にやることがないんだもん。
(夕方、先生の家の玄関には「散歩中」の札がかかっていて、のほほん。)

今回、長崎に行って思ったこと。
お父さんは自分で望んで田舎に戻ったけど、本当は寂しいんだなということ。
口に出しては言わないけど、多分私が島に行ったこと、とても喜んだだろうな。
お父さんは松島で若い頃を過ごしたけど、途中は疎開で満州に行っていたし、
結局東京の方が生活は長いし、松島弁も話さない。
「この島では1歳上なら先輩」とまるで会社のような組織ができているみたいだし、
自分で「もう3年目に入るけど、『東京の人』と思われてる。」と言ってた。
あまり電話もしないけど、するようにしようと思った。
自分で行くと言ったから仕方ないけど、やっぱり東京にいてもらうべきだったと思った。
今更どうしたらいいかなんて分かんないけど。

とりあえず目的も果たせたし、今後は何かめぼしいものがあったらすぐに長崎に送ろう。
たくさんの人に世話になったし。
近くにいる、ってことは、それだけで安心できるんだなって思った。
なんか言葉にできないけど、今回の旅はとてもシュールな気持ちにさせられた。

遠いな、長崎。
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by mic_tic | 2009-06-04 11:18 | たび